人生あみだくじ~低所得者の節約一人暮らし日記~

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【読書感想】店長がバカすぎて【早見和真】

満足度:★★★★☆

原作:早見和真

谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる! 毎日「マジで辞めてやる」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は……。

 

本屋さんが舞台のお話です。タイトル通り、店長がバカすぎるのですが、この店長が良い味出してます。実際同じ職場だと発狂するんでしょうけど、聞いてる分読んでる分には面白いです。実際、登場人物にも同じように爆笑されております。

店長の「バカ」「無能」「口だけ」等、業務に差し支えありまくりですが、店長は店長で一生懸命しております。嫌味言ったり露骨なサボり等はありませんので、読み終わってから愛せる店長と言えるでしょう。しかし、無能でバカなのは拭えませんが。

一貫して、店長の「真剣に無能の空回り」が読み終えて面白かった感想の大部分と言っても過言ではありません。

しかし、この店長が推定40歳という年齢は、主人公の谷原京子が思っているだけで、実年齢はわかりません。ここで難題なのが、個人的によく行く本屋の店員に50代の控えめに言って若干薄毛のひ弱な方が居まして。どうしてもその方と店長がダブってしまいます。しかし、表紙や裏表紙のイラストを見る限り、決してそんな風貌では無いので、何度も表紙を見て店長のイメージを強める必要がありました。表紙の店長は見ようによってはイケメン、とまでは行かなくてもフツメンですからね。

さて、タイトル通り店長がバカすぎて話が進みます。6話編成で次々とバカすぎる人がタイトルになりますが、話は続いております。良かった。

「真相をお話しします」が読み切り短編の集まりだったので、せっかく登場人物に感情移入してきたのに、次の回では出ないとか寂しいですからね。

感情移入できる作品内容。わたくしはここが小説でもっとも重要な1つだと思ってます。勿論、内容や奇想天外だったり謎解きが明快だったり諸々あるかと思いますが、やはり主人公含め登場人物に愛が無いと気持ちも入って行きません。

タイトルだけを客観的に見ると、ブログの様な感じか、インパクトを残すだけに見えます。ただただ無能の店長が起こす内容を纏めたところで、物語としては成り立ちませんし、ましてや書籍で販売なんて成立するのか?

読んでて思ったのが、着地点はどうなるのだろうか?  でした。

店長だけがバカなのかと思えば、そこは書店が舞台になるので、出版社や小説家、弊社の社長等、主人公が勤める本屋に関わる人が登場し、期待を裏切らないバカなんです。しかし、4分の3程度読んだところで、どういう風にまとめるのだろうか?  と、予想しながら読み進めました。途中で謎解きではありませんが、結果を予測して読みます。浅はかな予想は「バカな店長」が見事に裏切ってくれます。やはり愛すべきは店長です。大事なのでもう一度言いますが、実社会に居て一緒に仕事してたら、主人公と同じように愚痴りまくるか退職届を投げつけるでしょう。あくまでも作品のキャラとして、店長は良い味を出しております。

その他の登場人物も良い位置関係なので、ここら辺は作者が上手なんだと思いました。

有り難い事に、続編が出てますので早速読んでみたいと思っています。その他の作品も読みたいと思いました。こういった事も作品の内容に出てますので、なにか共感するものがあったのかもしれません。まぁ小説読んでて小説好きの本屋さんの話なんで、大抵の人が共感するのかもしれませんが。

わたくし的にはまた当たりの作家さんを見つけたのが喜ばしいです。

 

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