原作:新川帆立
題名:剣持麗子のワンナイト推理
ページ数:253ページ
発行所 :株式会社宝島社
発売日:2022年4月22日
満足度:★★★★★★★★☆☆
あらすじ───
亡くなった町弁のクライアントを引き継ぐことになってしまった剣持麗子。
都内の大手法律事務所で忙しく働くかたわら、業務の合間(主に深夜)に一般民事の相談にも乗る羽目になり……。
次々に舞い込む難題を、麗子は朝までに解決できるのか!?
法律相談に運動会(?)に、剣持麗子は今日も眠れない!
第一話 家守の理由
不動産屋の主人が何者かに殺害された。麗子は「武田信玄」と名乗る第一発見者の男に呼び出されるが、男は本名も住所も明かそうとせず……。
第二話 手練手管を使う者は
バーでホストの「信長」が殺された。状況からすると店で寝ていたという「光秀」が怪しいが、彼は無実を訴えて麗子に助けを求めてくる。
第三話 何を思うか胸のうち
事務所の先輩弁護士の急死。しかしその状況は一度倒れてから蘇り、その後再び亡くなったかのような奇妙なものだった。
第四話 お月様のいるところ
認知症を患っているらしいおばあさんを家まで送った麗子は、そこで男の首つり死体を発見する。しかもおばあさんは警察署から忽然と姿を消し……。
第五話 ピースのつなげかた
三隣亡の日に瓦の張替えを行ったA家の近隣で、不幸が相次いでいるという。法律でAさんを訴えられないかという相談に、麗子は頭を抱えるが───。
新川帆立さんの作品は読みやすくて楽しい。
これがわかっているから取っ付きやすく読めます。
5話に別れていて、1話を読み終える時に事件が解決したので、ショートストーリーが5話あるのかと思って2話目を読み始めました。
それが杞憂に終わったのは、2話目冒頭から1話目に出たキーマンの名前が出たからである。
1話目で眠くて仕事は残っているのに夜中に呼び出され事件に巻き込まれて解決していく。
ひょっとしたらタイトル通り、ワンナイトの話で押し通すのかとも思ったけど、それも杞憂に終わる。
各話で事件は解決して行くのですが、キーマンとなるキャラは相変わらず出続け、終盤にかけて各話と話が繋がってくる辺りが流石「新川帆立先生」だと太鼓を叩きます笑
けど本当に面白いです。
バリバリの推理小説とか読まないので、そういうのが得意な方からしたら物足りないと思うかもしれませんが、推理よりも小説として愉しく読むのをお勧めします。
主人公の剣持麗子弁護士。
気が強くて、仕事もできる。
弁護士なので当然高給取り。
旦那(彼氏だったかな?)があまりイケメンじゃない優男。
これでイケメン実業家と結婚とかされてたら非現実的(現実にはいるんだろうけど、やっかみが先に出てしまう笑)
わたくしは割とこの剣持麗子の性格は好きな方です。
勿論、能力も無く理不尽で自分勝手なのに強情なのはご勘弁ですが、全くそうではありません。
逆に尻に敷かれて人生歩んだ方が楽そうです。
けど、仕事が多忙だからこそ、家事と料理はわたくしの役目になるのは必須かなと。
けど、弁護士として残業残業&残業で朝まで働くのでしたら、喜んで家事させてもらいます。
話しがそれましたが、そんな感覚で読んでた方が気が楽です。
勿論こちらも仕事はするので、食わせてもらってるという感覚は持ち合わせていませんよ。
捨てられたら生きていけないってのは弱者の戯言ですからね。
まぁだからこそ捨てられないスキルが必要なのかもしれませんが。
また話しが逸れますね笑
読み終えて凄いなと思ったのは、各話で完結してるんですよ。
また別の日にやれやれって感じで仕事をこなす。
周りのキャラは同一人物が出るので、仕事として関わるのだから自然です。
次の話でも、その次の話でもキャラが出ると、毎度おなじみの登場人物である意味落ち着きます。
そう度々新キャラが出るのも名前覚えるのが大変ですからね。
で、どんな感じで終わるのかと疑問が生まれてきます。
主要キャラをどう扱うのか。
出てきた最初から謎ですが、謎のまま話は進み、疑っては否定されての繰り返し。
そこでやっと最終話で話しが繋がるのが爽快に感じました。
ただ、最後は不完全燃焼かなと思って★が一つだけ減ります。
しかし、これに続編があり、また今回の謎というか黒幕が出て解決するのなら面白いと思いますね。
amidax.hateblo.jp