満足度:★★★★★☆☆☆☆☆
題名:ひゃくはち
作者:早見和真
今回から満足度を5段階から10段階に変えました。
｢店長がバカすぎて｣を読んで、面白かったので原作者のデビュー作を選んでみました。
流石に、デビュー作よりかは｢店長がバカすぎて｣の方がテンポも良くて面白かったですね。しかし、作者本来の才能というか、わたくしとの相性は良かったです。つまり読みやすく読んでて楽しかったです。
ただ、内容的には今ひとつかな、と評価するのが否めない感じ。
ざっくりあらすじを言うなら、8年前の甲子園目指してた高校球児時代と、現在とが交互に話が進みます。メインは8年前の高校球児。
主人公雅人が、昔の仲間と今は疎遠になってる所から始まり、今の彼女が実は高校生の時に1度知り合っていたと秘密を告げられる。
野球の試合も出てくるので、ルールを全く知らない女性とかは少し置いていかれる感がありますね。スクイズってなに？ それをするとどうなるの？ って感じだと臨場感が伝わらないでしょう。
主人公が8年後の現在は大人の雰囲気を出そうとしてるのか、少しヤサグレた感じにもとれます。徳島転勤の話が出てるから仕方ないのかもしれませんが。良い意味で高校球児時代とのギャップは出てます。
その高校時代ですが、2000年辺りの高校生がどんな感じだったのかはわかりませんし、都会の高校生とか、田舎者のわたくしからすれば何が当たり前なのか想像もつかないですね。
読んでて不快に思ったのが、主人公はレギュラーに選ばれたい補欠だったり、時にはベンチにも入れない状態。しかし野球が好きで努力はしてる。それなのに、コンパと喫煙をする。
コンパは良いけど、喫煙はどうなのと最後まで思いましたね。やたらとタバコを吸うシーンが出ます。
少しネタバレになりますが、冒頭から疎遠になってるのがわかってるので、その理由が何なのかがひとつの疑問として読み進めます。
主人公のチームは強豪で、甲子園も全く夢ではないし、世代的にも優秀な選手が集まったので甲子園どころか甲子園優勝も目指す程の勢いがあります。そんなチームだからこそ、レギュラーどころかベンチ入りも難しい状況。それでも一生懸命練習に励みます。途中コンパにも勤しんでますが。
野球の試合で勝つ事に甲子園が近づく緊張感が伝わってきます。この辺り、野球を知らない人には置いてけぼりになるかも。
甲子園出場が決まったか決まるかどうかって時に、主人公の喫煙がバレて、チームが出場停止になる。
わたくしはこれを予想しました。
しかしこの予想は外れます。
結局、タバコはストーリーに関与しませんでした。
表紙にもタバコを吸いながらキャッチボールする絵があります。
｢なんなの？｣
これが正直な感想です。
これまで5段階評価で★3を付けると多い気がするし、★2って程つまらないわけでもないので、10段階評価で★5になりました。
高校生でしかも高校球児。更には甲子園目指す程のバリバリの強豪校。その選手が不動のレギュラーでは無く補欠が喫煙。
出来れば仲間と一緒に禁煙しようとか、子供時代にタバコなんてバカじゃないの？ って皆言ってたのに、大人になったら皆吸ってるとか。
まあちょっと甲子園目指す高校球児とコンパとか喫煙とかする主人公のギャップが減点対象だったかな、わたくし的には。
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