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【読書感想】先祖探偵【新川帆立】


満足度:★★★★★★★‪☆‪☆‪☆
著者:新川帆立
題名:先祖探偵
ページ数:290ページ

あらすじ
ひとりでも寂しくない。
私はもっと、強くなれる。

「あなたのご先祖様を調査いたします」
風子は、母と生き別れてから20年以上、野良猫のように暮らしてきた。
東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所をひらいている。
「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりかもしれないので、調べて」など様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。
宮崎、岩手、沖縄……調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、マイペースで仕事をしている風子。
いつか、自らの母を探したいと思いながら――

「元彼の遺言状」を読んでハマり、その後も「倒産続きの彼女」とかも読んで面白かった野ですが、今作ではそれほど勢いを感じませんでした。

おそらく著者の新川帆立さんが意図してそう描いてるのだと思います。

主人公は親も自分の本当の名前も知らない。
それに仕事内容は先祖を調べるのですから、はっきり言って地味な作業です。
弁護士とかの一見派手に見える要素も行動もありません。
だからまた同じ勢いを期待して読み始めると裏切られます。
しかし、やはり著者の丁寧な創りは読んでて苦痛ではなく快感です。

本編は5章に分かれていて、どうやら4章までは連載で最後だけ書き下ろしの様です。
章が変わって読み始めると、前回までの設定の説明みたいなのがあるので、単行本として読んでると違和感があります。

所々で食事のシーンがあり、わりと丁寧に料理を紹介しております。
それが読んでて息抜きになる気がします。
もしくは、主人公が施設で育った環境なので、美味しいものを食べれる幸せを、大人になった今でも無意識に喜んでいる表現なのかなとか思いました。

先祖と言っても、家系図を見てそこから調べれる範囲を調べるだけなのですが、割とこん詰めて探って新事実に当たるというか、そんな感じ。

別にこれといって次から次へと難事件が降り注ぐわけでもありません。

5章で主人公が中心の話になるので、続きはもう無いかなと思いました。
気持ち改めてその後、って展開で描くこともできるかもしれませんが、著者の身体は1つなので、出来れば「先祖探偵」を描くよりも「剣持麗子」の作品を描いてほしいですね。
しかも爽快な作品が好きです。

しかし、探偵が探偵事務所で美味しく紅茶を飲んだりする姿は憧れますよね。
何もなければタダの無収入だし、仕事は地道な作業で大変なんだと思いますけど。
しかもスタイルが良いという設定がいいですね。

読んでて良かったのが、主人公のご都合主義で話しが進まないこと。
そりゃ疑問に思って色んなタイミングで前に進んだりすることもありますが、偶然の連続とかは無いので良いです。
偶然入った喫茶店で偶然隣の席の人の会話でヒントを得て、偶然犯人が言ってた言葉を思い出すとか。
もう少し主人公の勘や努力で謎解きが良いです。
なのでそういう意味では今回の、というか新川帆立さんの作品は良いですね。

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