満足度:★★★★★★☆☆☆☆
題名:小さな神たちの祭り
原作:内館牧子
ページ数:235ページ(あとがき含む)
最後に表紙の意味がわかります。
壮大なネタバレから始まりましたが、ネタバレではありません笑
内館牧子さんの作品を読んだのが3作目でした。
「すぐ死ぬんだから」「終わった人」の2作を読んで「老害の人」「今度生まれたら」を予約順番待ちしてたのですが、この「小さな神たちの祭り」は予約無く直ぐに読めました。
amidax.hateblo.jp
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基本的に事前情報は殆ど入れずに読みます。
こちらの作品はどうやら内館牧子さんが脚本を描いたドラマを書き下ろした内容。
しかも東北大震災の話でした。
作中でも語られたように、当事者以外は忘れてしまう。
3月11日だけ思い出して、それ以外は忘れている。
そう思われているうちの1人に自分が居るようでした。
勿論忘れてはならないことなんですが、毎日、年がら年中そのことを思って前に進まない人生も良くないのではないかとわたくしは思ってます。
それについても作中で語られております。
作品の感想としては、正直ファンタジー要素が今の自分には受け入れられなかったので、評価を下げました。
内館牧子さん、という原作者の事をしらずに読めばまた違った評価だったかもしれません。
自分も自然災害の被害者なら更に違ったでしょう。
しかし、今の所当事者ではありません。
ですが、これを「幸運にも」と表現するのは少し間違えているかなと思いました。
被害に合った方達が「不運だった」というのがおかしいと思うからですね。
まあ今回そこは置いといて。
内館牧子さんの作品をたまたま手に取り、初めて読んだ作品でファンになるほど自分には合ってた作者。
2作品目に読んだのも面白かったので、その印象で読んでしまったので、いわゆるカテゴリー違いみたいなものですね。
歴史小説は読まないのに、借りたら歴史物だったみたいな。
内館牧子さんの日常生活を題材にした作品が好きで、フィクションなのにノンフィクションの様な物語が心に突き刺さります。
しかし今回の「小さな神たちの祭り」は皮肉なことに出来事はノンフィクションなんですよね。
けど、途中のファンタジー要素がフィクションとは言いきれませんが、やっぱりご都合主義みたいな出来事が残念だったかな。
あとがきでも内館牧子さんが語っていた様に、無い世界ではないからこういう表現になったと。
確かに。
結局、その要素によって主人公が救われるという形になるのですが、それまでの主人公が受け入れられず残念かなと。
これも、当事者かどうかで評価はわかれると思います。
例えがおかしいかもしれませんが、好きな恋人に裏切られたからその後行きずりの男達と行為を繰り返したら誰の子か分からない子供を身篭る。
同じ境遇でないと共感できない、みたいな。
例えですので、あくまでも。
これはわたくし個人的な問題なのですが、心が弱いので例え推理小説でもなんでも、人が死ぬ作品は弱めです。
モブキャラとか作品始まり時に既に亡くなっているとかはまだマシなんですが、セリフも多く良い人が死ぬのは悲しくなるんで、読んでて辛いんです。
そこも評価に現れているのかもしれません。
災害によって心に傷がついてる人に読んでもらって、少しでも前に進めるきっかけになるとするなら、オススメしたい一冊ではあります。
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