人生あみだくじ~低所得者の節約一人暮らし日記~

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【読書感想】終わった人【内館牧子】


満足度:★★★★★★★★★☆
題名:終わった人
作者:内館牧子

───あらすじ

「定年って生前葬だな。これからどうする?」
大手銀行の出世コースから子会社に出向、転籍させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、思い通りになるものでもない。
惑い、あがき続ける田代に再生の時は訪れるのか? ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。

満足です。
前回読んだ「すぐ死ぬんだから」が面白かったので間違いないとは思ってましたが、正解です。

今回の「終わった人」が先に出版されてるのかな?
次に「すぐ死ぬんだから」
おそらく「老害人」というのを本屋で見つけたので、続きそうです。
作品自体は続いてないので、どれから読んでも大丈夫。

終わった人」は男性、「すぐ死ぬんだから」は女性が主人公です。
終わった人」は女性目線で読むと少し共感薄いかもしれませんね。
わたくしはどちらも共感できて楽しめましたが。

「散る桜残る桜も散る桜」
「散り際千金」

冒頭からこの言葉が頻繁に出てきます。
成程と唸りますね。

桜は最後に全部散ってしまいます。
先に散っていく残った桜もいずれ自分の番が回ってくるという感じで使われます。

そう読むと、日常生活で良く老人を冷めた目で見てる自分としては耳が痛い。そこで蓋をせずに自分を改めるのが良い大人に鳴るのでしょうが。

「散り際千金」は、引き止められても自ら辞退する方がなんでも良い印象で終われる。
引き際が肝心ってことですね。
相手がまだ必要としてる時に引退すると千金に値するみたいな。
これは確かにそうだと実感してます。

職場で老人がしがみつき、能力も衰え、怠慢な職務態度で見かねてました。
引き際って物凄く大事だなと思いましたね。
ただ、自分の年金世代にどれだけ年金をあてにせずに働けるのか。
めちゃくちゃ心配ですが、しがみつく様な真似はしたくないのが本音ですし、自分はまだ大丈夫って周りの評価とかけ離れた計算しないようにせねば。

主人公は出世街道から外された定年退職者。
しかも、社内の理不尽な選択によって外されたので、退職後も自分に自信を持ってます。

それが足枷になったり、役に立ったり、人生色々だなと。

あとがきに書いてましたが、まあよく色々勉強して知識を身につけてから執筆してるのだなと感心しましたね。

「リアリティに欠ける」ところが無いんですよ。
勿論、大手銀行の暮らしや収入とか、わたくしからすれば非現実的だし、その方の年金額が現役のわたくしの年収を軽く上回るとか笑
しかしそれが現実なんでしょう。

ピンチとチャンスと色々繰り返されます。
その辺が非常に面白く、飽きがこなくて最後まで一気に読めます。
わたくしは空き時間利用して2日で読めました。
続きが読みたくて仕方ないという感じ。

いよいよピンチになった時に、周りからの奥の手が出るのかって安直な考えが出ますが、そんな事はなく普通にピンチとして話が進みます。
その辺が好きな要素です。

物語上、主人公が序盤のピンチですぐに死んでは話にならないし、身内が物凄くラッキーで大金が、転がり込んでたすかるとか。そんなものが一切ありません。
わたくしがそういう主人公補正で進む物語が嫌いなんですよ。
初期段階からの設定なら受け入れます。
東大卒で年収1000万とかの設定は大丈夫。
しかし100億の借金を背負ったけど、偶然助けた老人が大企業の社長で100億を肩代わりしてくれて、しかも跡継ぎに任命されたとか。
そんな主人公補正が大嫌い。
もうそれなろうじゃん。ってなります。

ピンチはピンチ。それを受け入れて、どん底からまた努力してチャンスを掴むとか。
そういう前向きな精神でのし上がるとかが好きですね。
amidax.hateblo.jp



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