原作:安壇美緒
題名:ラブカは静かに弓を持つ
ページ数:300ページ
発行所 :株式会社集英社
発売日:2022年5月10日
満足度:★★★★★★☆☆☆
あらすじ
───少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
第一楽章、第二楽章、エピローグの三部構成に分かれています。
面白かったですね。
読み終えて本屋さんに行って知ったのですが、こちらの作品も2023年本屋大賞ノミネートされてたんですね。
何位だったか忘れましたが。
その本屋さんで、本屋大賞ノミネート作品を陳列してて「あ、結構読んでるなぁ」と思いました。
ミーハーなのかな、わたくし。
恐らく、テレビが新聞なんかで本屋大賞ノミネート作品取り上げられて、とりあえず予約しとこーって流れだと思います。
そんなノミネート作品の中では、わたくしが今読み終えた中ではトップクラスで面白いです。
逆に「これが本屋大賞ノミネート?」って理解不能な作品もありましたけどね。
しかし、それはわたくしの理解力が世間からかけ離れていることにしましょう。
そんなかけ離れたわたくしでも、この作品は面白かったです。
途中、ドキドキハラハラして読むのが止めれなかったです。
大雑把に紹介するなら「スパイ大作」
「話は聞かせてもらった」
「お、お前は大作! スパイだったのか!」
スパイ大作戦ですね、007やトム・クルーズみたいな。
そんなにかっこいいものではありません。
潜入捜査官みたいな?
過去の出来事でチェロに対して臆病な主人公ですが、そこは根底に置く程度にして、チェロ教師と生徒として潜入スパイしてる主人公。
ありそうな話で臨場感も高かったですね。
そんなの断ればいいじゃん、って思うけど、大きな組織の一員が、個人的感情で拒否するということは、退職するまでコピーの数を倉庫で数える仕事が決定付けられること。
かといって、主人公はそんなに感情的なタイプでもないので、深入りしない程度でやり過ごせると思ったのでしょうね。
しかし、そこに「チェロ」が合わさり、子供の頃に嫌々演奏してた楽器に、新たな魅力を見つけたりして。
読み始めは、これでどう展開していくのか不安でした。
結果というか、潜入スパイして、2年間という期日が終える頃に一波乱あるかな、くらい。
先が読める内容なのに、割と途中から感情移入が強くなります。
この辺、作者の技量が上手なのかなと。
読んでる時は必ずチェロ演奏の音楽流してると、より雰囲気上がりますよ。
ポチっと押してくれた全ての人に感謝です