
毎回の事で自分に呆れるが、この作品を何処で知ったのか思い出せない。
極力、新聞で小説を紹介するコーナーには騙されないように気をつけている。
(好みの問題だが、読むのが苦痛で最後に救われると思って読み切ったが時間を返せという感情しかなかった事がある)
1度や2度でないのに、紹介文では今年の本屋大賞にふさわしいくらいの勢いで紹介するので、ついつい読んでしまうのだ。
しかし、大抵好きな著者以外の作品は新聞か本屋のポップで知るのが殆どである。
エピローグ含めて400ページ程ある読み応えのあった作品。
茶道を嗜む51歳の未婚女性が主人公。
このタイトルにもなってる「花を摘む」はトイレに行く意味ではなく、行きずりの男性を含む大人の関係を持つことである。
真剣な交際はしない(する気持ちになる相手に出会わない)が、意気投合すれば身体を交える事に抵抗はない、寧ろ歓迎する主人公。
そういう今迄平凡(平凡?)な人生に変化というか、少し違う出来事で物語が進む。
途中まで読んでて思ったのは
「何処に目指してるのか全くわからない」
というのが率直な感想でした。
ミステリーでも恋愛でもなんでも、問題が起こり答えを探して話が進むのですが、途中まで何が目的なのかさっぱりわからない、51歳の独身女性の日常を描いてる作品。
おそらく茶道を嗜んでいる人が読めば世界観もわかるだろうし、序盤から最後までより楽しいと思います。
しかしわたくしのように茶道が全くわからなくても「茶道良いな」って思えるような、茶道を魅力的に感じさせる表現が作品のなかにありました。
読んでて同世代なので、良い所も悪い所も共感できました。
「恋愛」ではなく「性行為」を楽しむだけでなんとなく過ごして気付けば50歳を迎えてる。
確かに割り切った付き合いは楽だけど、楽だからこそ「虚しさ」虚無感って言うのですかね、それがあるからまた別の人と行為を繰り返す。
考え方によっては「汚らわしい」のでしょうけど、独身女性(男性)の特権といえばそれまで。
スポーツや趣味と捉えれば、リスクが高いし誇れるものでもない。
そんな女性が1人を惚れてしまった場合、どうなるのか?
やはり若者のように燃えたぎる様な恋とはいかず、どこか冷静に自分や相手を見てる、分析できる余裕がある。
それは返って恋愛には邪魔な感情でしょう。
脇目も触れず相手の胸元に飛び込んでいく、よく言えば情熱的な行動。
そうやって若者は失敗を繰り返すのですが、若い時から恋愛を冷静に分析してたら婚姻率も出生率も更に下がるでしょうね。
けど離婚率も下がるなら、どっちが良いのかわたくしにはわかりませんが。
お金と時間の自由は生まれるが、やはり親の介護や職場の人間関係は独身既婚関係なく出てきます。
物語中盤から職場の話も目的が生まれ、プライベートの問題と同時に進行して、話が膨らみます。
続きが気になる! って盛り上がりは少ないかもしれない、逆に非日常的な話でもないので読みやすかった。
期限いっぱいの2週間かけて読み終えて丁度良い感じ。
読めない日も気にならず、読み出したら面白い不思議な感覚。
他の予約してた本が届いてたら急いで読まないといけなく、それだとしんどいボリュームだったかも。
ポチっと押してくれた全ての人に感謝です
どうせなら宣言しとこうと思いついたのですが、ブロガーさんのブログ観覧しててスターは押しますがブログ村等のバナーも必ず押す宣言をしておきます